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・・・・・ 米国へ・5−2 ・・・・・ |
ジョンさん達から借りた図鑑を片手に見ながら、さまざまな水鳥達を楽しんだ後、いよいよ午後の部に出発することになりました
2台の車で牧草地を走らせながら、岩場が多い荒れ地の方に向かいました。しばらく車を走らせていると、前を走っているジョンさんの車が停止して、右側の岩場を指さしました。指さされたその方向を良く見てみると、岩に猛禽の白い糞がビッシリと付着しているばしょがあり、その上部にある岩の隙間(クラック)には、メンフクロウ(Barn Owl)の親と、ヒナの姿が見えました。かなりの長い年月、この巣を利用しているようで、かなりの量のフンが付着していることが、写真からでもわかると思います。数分ほどの間、車の中から観察していたのですが、そのうちに親は巣の奥の方に隠れてしまいました
親が隠れてしまったので、目的地に向かって再び車を走らせることになりました。本日の主な目的は、事務所で設置したアメリカオオコノハズクのヒナにバンディングをすることなのですが、この周囲は、荒れ地と岩場しか見えない地形なので、巣箱についても、ひょっとしたら岩場に設置されているのではないかなと思っていると、前を走っているジョンさんの車が、今までとは違う細い道に曲がり、悪路をゆっくりと走り出しました。少しの間車を走らせると、前方に樹木の緑で覆われている場所が、突然出現しました。車がそこに近づくにつれ、その場所が、小さな川が流れている谷地形になっていて、緑の木々はアカシアであることがわかりました。木々に覆われている面積は数100平方メートルくらいの小さな林とも言えないほどの樹木の集団です
ジョンさんの車が、その林の横にある小さな岩室の前で止まりました。どうやら、この林に巣箱が架けてあるみたいです。我々一行は車を降りて、脚立を担いで巣箱の架設してある木に向かいました。想像しているよりも低い位置に巣箱は架設してあり、脚立を木に掛けると、メンテするのにもちょうど良い位の高さでした
巣箱の中を交互に覗いてみると、中には4羽のヒナを確認することができました。足環をつけるために、一匹ずつ下におろして、じっくり見てみると、見慣れないフクロウですが、やはりその姿はとても可愛く、ついついもてあそんでしまいます(笑)
もてあそんでばかりいるわけにはいかないので、さっそく、バンディング作業に入ることにしました。最初にジョンさんがお手本を示し、それから、我々も同じようにバンディングをさせてもらうことになりましたが、足環は、見たことのないタイプのものでした
4羽に足環を装着し終えると、いつものように、近くの木の枝に乗せて記念写真です(笑) 鳥だけにかかわらず、動物の仔もすべて可愛いのですが、フクロウのヒナは何とも言えないくらい別格に愛くるしく感じてしまいます
作業がそろそろ終了しようかという時、どこからともなく親が飛んできて、近くの枝に止まりました。このフクロウを見るのは初めてのことでしたので、ちょっと嬉しい場面です。恐らくメス親だと思うのですが、ヒナが心配になったので、様子を見に来たのでしょう。まさか、親鳥まで見ることができるとは思っていなかったので、この出会いは、なかなか新鮮で興奮しました
足環の装着や計測などの作業を無事終わらせ、4羽のヒナを巣箱に戻し、車に戻ると岩室を覗いてみました。何のためにこのようなものが作られたのか、聞くのを忘れてしまいましたが、かなり古い時代に作られたものであるように思えました。中に入ってみると、非常にシンプルな作りで、土間と簡単な火を燃やすところがあるくらいの単純な作りで、ネズミのフンと、ネズミが持ち込んだであろうと思う枯れ草がたくさんみられ、聞いてみるとキネズミ(Wood
Rat)の仕業だそうである。キネズミは、樹木や岩場やこのような建築物にも営巣したりしているよう。で、多様性がありそうで、僕にはなんとなく興味のあるネズミです
次の場所に移動する途中、スネーク川の畔の道を車で走らせていると、一匹のヘビに出会いました。恐らく無毒のラトルスネークというヘビだと思うのですが、車を止めて写真を撮ったり、捕まえて遊んでいたりして、再び道に戻して様子を見ていると、なんと、ジョンさんの車の下に回り込み、車のサスペンションを伝わって、エンジンルームの中に潜り込んでしまいました
結局は、ラリーさんが車の下に潜り、ヘビを引きずり出すことができたのですが、まさか、エンジンルームの中に潜り込んでしまうとは、思っても見なかった出来事です。捕まえたヘビを川岸に戻すと、来る時に寄ったメンフクロウの巣を見ると、再び親が巣穴の入り口にいて、こちらを見ていました
スネーク川畔を下流に下り、次は、ミサゴを見ることになりました。ミサゴは、岩場とか大きな樹木の頂部付近に通常営巣するのですが、ここでは、川の畔にある電柱の頂部に巣台を架設し、その巣台の上で営巣していました。このような巣台は、この付近だけでなく、かなり離れたダム湖畔でも見たことがあるので、営巣可能箇所が少ない場所で営巣地を提供するのには、良いのかもしれません
このミサゴを見ていると、後ろの方からアカオノスリのもの悲しい鳴き声が聞こえてきたので、そちらを見てみると、チョウゲンボウに追われているアカオノスリの姿がありました。チョウゲンボウにモビングされながらも、なかなかその場所を離れないので、不思議に思っていたら、我々の近くに生えているポプラに巣があり、この木で営巣していたのです。まったく、どこにでも営巣しているノスリです
再び車を走らせて、小さなダムの湖畔でしばし休息し、次の巣箱架設地に向かうことになりました。しばらく車を走らせて到着したのは、いわゆる河畔林の林で、ヤナギをメインにして、クルミなどで形成されている林です
ヤナギの比較的大きな木に架けられていた巣箱には、なんと5羽のヒナがいました。この場所は、付近を歩いているだけでも、たくさんのネズミの坑道があり、餌が豊富そうなことは窺われましたが、5羽も多産するとは、少し驚きでもありました
ここでも、巣の下を探してみると、写真のようにカササギ(Black-billed Magpie)の羽根や、ネズミの頭骨などが見つかり、多彩な食生活がうかがえられました。特にカササギは、このフクロウと同じくらいの大きさでもあることから、狩り能力がかなり高いとも思われます
その後も、近くに設置してある巣箱を見回ったのですが、1カ所目は利用していなかったのですが、2カ所目の巣箱は、ヒナ2羽と一緒に親鳥までもが巣箱の中に入っていました
親鳥がいたこと自体は、それほど驚かされることではないのですが、写真で見てもわかるように、普通であれば、キチンと立っていると思うのですが、なんと、巣箱の入り口を開けて覗いてみても、横たわったままの状態で、静かにしていてまったく動かないのです。日本のフクロウであれば、嘴を鳴らしたり、奇声を出したり、後ろにひっくり返って足を出したりして威嚇をしてくるのですが、まったくそのような気配もなく、静かに横たわっているのです
ジョンさんは、この状態を見て、ヒナへのバンディングは次の機会にして、今回はこの親鳥だけをバンディングしようと言い、親鳥だけを捕まえて足環を装着することになりました。さっそく親鳥を捕まえて、胸の羽根をかき分けて抱卵斑を確認してみると、みつかりません。そのことから、我々はこの個体をオスと断定しました。このように、そろそろ巣立ち間際の巣の中にオスがいること自体が、僕には、なんとも不思議な感じでした
前回、文章が長くなりすぎたので書かなかったのですが、営巣していたメンフクロウについても、行きに見た時は、巣の入り口で見張りをしていたのはオス個体で、帰りに立ち寄った時、巣の入り口で見張りをしていたのはメス個体なのです(写真はメス個体)。このこととあわせて考えても、メンフクロウ・アメリカオオコノハズクとも、ちょっと、日本のフクロウ類とは、違った行動様式になっている感じです
オス親にバンディングをして、巣箱に戻した時も、ちょっと驚かされました。普通は人間に掴まれた後に放鳥されたら、巣箱から逃げ出すと考えられ、逃げ出す瞬間をビデオで撮影しようと狙っていたのですが、なんと、そのまま巣箱の中でおとなしくしていて、外に飛び出してくる気配すらないのです。このことにも、かなり驚かされました。実際は、写真のように捕まえて、足環を装着し、簡単な計測をしたりした後に巣箱に戻したのですが、これが日本のフクロウ類であれば、間違いなく巣箱から飛び出したことと思います
右の写真は、樹木に営巣しているキネズミの巣です。このキネズミというのは、図鑑で見ても、特に何の変哲もない普通のネズミなのですが、個人的には、なんとなく気になるネズミであります。ネズミでありながら、建築物や岩場にも営巣しているし、時にはこのような樹木にも営巣するようなのです。これは、ポプラの木に又に営巣している風景です
ここまでの作業をしている間、雨がポツリポツリと降り出してきましたが、なんとか最小限の濡れですみました。小降りの雨の中を、最後の調査地に向かうことになりました。この日も、残すところあと少しなのですが、研修が終了し次第、移動しなければなりませんので、ここで運転を交代してもらい、あまり話をしていないジョンさんと、少しでも話をしようかなと思い、僕は、ジョンさんの車の助手席に乗り込むことにしました。片言の英語でしか(と言うか、ほとんどできません)話をすることができないのですが、それでも、何とか努力をして、ジョンさんとさまざまな話をすることができ、いろいろと学ぶものはありました
さて、最後に案内された場所は、小さな小川の脇にある河畔林の一隅でした。ここは、アメリカワシミミズク(Great
Horned Owl)の営巣地があるということで、楽しみにしていた場所でもあります。この場所に来るまでは、アメリカワシミミズクの営巣地は岩場の断崖ばかりだと思っていたのですが、ノスリ(たぶんアカオノスリ)の古巣を利用して営巣していました。営巣しているとは言ったものの、すでに巣立ちをしていて、営巣木から、30〜40m程離れた木の枝に、2羽が止まっているのを、ジョンさんが見つけてくれました。それと同時に、親フクロウの飛翔は、ちょっとの瞬間だけ見ることしかできませんでしたが、巣立ちビナは、その可愛い姿を我々の前にさらけだしてくれて、充分その姿を堪能することができました
アメリカワシミミズクの観察も終わり、車に戻って時間を見てみると、20:00過ぎくらいの時間となってしまいました。この写真は、最後に車に戻った時のもので、夜8時とはいえ、まだまだ、このように明るいのです。夜も21:30くらいまでは結構明るくて、時間の観念が狂ってしまいそうでした
この場所を最後に、いよいよ、ラリーさんとジョンさんともお別れです。ラリーさんは、公私とも忙しい中、2日間も我々の為に貴重な時間を割いて案内していただき、ジョンさんも、たった1日案内をしていただいただけなのですが、すでに旧知の間柄のような感じがして、先を急ぐとはいえ、さすがに別れ際は、寂しいものがありました。全員で記念撮影をした後は、お互いに再会を祈念して、何度も何度も固い握手をして、別れがたい気持ちをこらえて、いよいよ、次の目的地に向けて車を走らせなければなりません
ボイジーの街までは、ジョンさん車に先導されて進み、途中で別れることにして、お互いの車に分乗し、車を走らせ出すや、いきなり強烈なレインストームに遭遇し、激しい雨の中をボイジーの街を目指しました。本当かどうか知るよしもありませんが、深い別れがある時は、天候が崩れるというようなことを聞いたことがあります。このレインストームもその一つかなと思わせる、強烈な雨でした

この日は、この後、ボイジー市内に21:00過ぎに到着し、案内をしていただいた二人と別れた後は、ウエストイエローストーンまで走り抜け、市内に入って、すでに寝静まっているモーテルを起して、ベッドルームにたどり着いたのは朝の4時近くになってしまいました
結局、フィールドで12時間を過ごし、その後に600km近くも移動したわけですから、あまりにも疲れた一日でした
さすがの僕も、この日ばかりは、いつものように少しぬるめのシャワーでなく、かなり熱めのシャワーを浴び、バーボンを楽しむのもそこそこに、眠りについてしまいました
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| ★2004.6.17 |
・・・・・ 米国へ・5−1 ・・・・・ |
本日も研修日です。ここ(内務省土地管理局)では、フクロウのバンディングも行っていて、今日は、職員と一緒に、このバンディング作業を行うというものです
案内者は、昨日一緒に回ってもらっていただいたラリー氏と、フクロウの調査・研究を行っているジョン氏です。ラリー氏は、優しい田舎の好青年という感じで、我々と拙い会話を行う時も、ゆっくりとわかりやすく説明してくれるのですが、それに対して、ジョン氏は、会話をする時でも早口でまくし立てるタイプで、その体躯と併せて、第一印象は、ちょっと豪快なアメリカンという感じを受けたのですが、実際、一緒に回ってみると、非常に繊細で優しく親しみやすい人でした
前日、「明日は、時間も少ないし、食堂も無い場所に行くので、昼食を用意して8:00までに事務所に来るように」と言われていたので、ちょっと気が引き締まります
指示どおりに事務所にうかがい、我々の車と、ジョンさんの車に分乗して、いよいよ出発です。最初に案内された場所は、アレチノスリの人工巣台です。アレチノスリは、ノスリ属でありながら樹木や岸壁に営巣するのではなく、通常はチュウヒの様に地面に営巣しますが、地面に営巣するということは、カヨーテ・アカギツネ・ヘビなどの天敵が多く、写真のように少し高く巣台を設置することで、その危険が減り、繁殖成功率が高まるというものです
この巣台には、4羽のヒナがいて、まだ食べられていない餌動物であるジリスが巣の中にあり、巣の下には、なぜか未ふ化の卵が落ちていました。何より不思議に思ったのは、巣材についてです。見渡す限り広大な原野が広がる中で、どこからこのような巣材を調達してくるのか?・・・セージグラスの枝のような感じもするのですが、今一確信がなかったので、訊ねてみると、やはり全部の巣材がセージグラスだそうです。これは、アレチノスリだけでなく、樹木や岸壁に営巣する猛禽も、メインに利用している巣材はセージグラスだそうですが、よく巣材を見てみると、セージグラスだけでなく、草食獣(恐らく、シカの仲間)の乾いたフンも巣材に利用されていることが、この写真でもわかると思います。まだ食べられていないジリスが、産座の手前付近に運ばれているのも見えます
また、産座には、細かな草本類や、草食獣のフンなどが主に利用されていることがわかります。このように、育雛中のタカの巣内に青葉が見られないのは、なんとも不思議な感じでしたが、こちらでは当たり前の事なのかもしれませんね
巣の中には、写真のように4羽のヒナがいました
ヒナは、普通の猛禽のヒナが綺麗な白色であるのと違って、少し汚い灰色をしていますが、この色合いについては、地上に営巣する猛禽の特徴かもしれません。地上部(巣の下)には、巣材が落ちているだけではなく、未ふ化の卵も落ちていて、この卵を見てみると普通に白いのです。地面に営巣する鳥は、発見されにくいように少しは色が付いているのかなとも思ったのですが、親が卵を守っているためなのかわかりませんが、色は付いていませんでした

左の写真は、巣の下に落ちていた未孵化の卵です
落ちていた理由は不明ですが、良く割れもせずに残っていたものです。2枚目の写真でもわかるように、巣台の下には、巣材として利用しようとしたと思われるセージグラスの枯れ枝や、草食獣のフンがたくさん散乱しています。そして、素台の周辺だけは、さまざまな草本類が生えています。これらが、クッションにでもなって、卵が落下した時に、割れるのを防いだのでしょう

当たり前といえば、当たり前なのですが、我々がこの巣を調べている最中には、繁殖している両親♂♀共に、巣にいることはできません。そのため、調査中には、右の写真のように、オスメス共に、巣の上空を鳴きながら飛翔していました
もちろん、攻撃されることもなく、襲うような素振りもみせませんでしたが、両親とも心配であったことでしょう
普通、このような場面だとメスだけが警戒して、周囲を飛んだり、警戒音を発したりするものだと思っていたのですが、オスも同じ行動をとるとは、思いもよりませんでした
とは言うものの、オスがこのようにメスと一緒に飛んでいたのは、数分間だけであり、すぐにどこかに飛び去ってしまいました
次に向かったのは、セージグラスも生えてなく、イネ科の植物だけが若干見ることができる、砂漠に近いような原野です。いたる所にアメリカアナグマやジリスの塚(巣)が見える場所で、『この付近にアナホリフクロウ(Western Screech-Owl)が繁殖しているはずだから、慎重に探すように』と、助手席に座っているラリーさんが言いました。少しずつ車で移動しながら探していると、前の車に乗っているメンバーから連絡が入り、どうやらアナホリフクロウを発見したようです。このフクロウは、かなり警戒心が強いようで、比較的遠く(100m以上離れていました)から望遠鏡で観察しているだけでも、警戒しているのが手にとるようにわかり、車に隠れて観察しているだけで、じりじりと後ずさりし、終いには見えなくなってしまいました。どうやら巣穴の入り口近くに隠れてしまったようです
しばらく、その状態で観察していたのですが、そのうちに、ジョンさんから「巣を見に行こう」と指示があり、我々が、ゆっくりと巣に近づいていくと、巣までの距離が100m位になると、隠れていたフクロウが飛び立ち、巣を挟んで反対の方に飛翔していき、草の茂みの中に隠れてしまいました。やはり、かなり警戒心が強そうです
左の写真左部分に手が写っているところがあり、その下の部分が巣穴の出入り口になっています。その周辺の土の部分だけが、乾燥してひび割れた感じではなく、フクロウが出入りをする時に引っ掻いたであろうと思われる爪痕が、写真からでもたくさん見ることができます
このフクロウが使っている巣穴は、アメリカアナグマの古巣を利用しており、利用している古巣は、小さなマウンド状の上にある所です。ですから、そこの塚(外に排出された砂が盛り上がった部分)に立つと、ほぼ360度で周囲が見渡せるような場所でした。1巣だけ見ただけですので、とても断言することはできないのですが、その警戒心の強さとあわせて考えると、このような場所(環境)が、好まれる営巣地ではないかと推測されました(つまり、彼らを探す時は、マウンド状に盛り上がった様になっている場所を探す)
ジョンさんの言うのには、現在はメスが抱卵中であり、昨日、調べた巣では卵が12個あったそうで、この巣についても、恐らく、メスは抱卵中であろうとのことでした。塚の上には、監視をしているオスのものと思われるフンやペリットが残されていました。このペリットを詳しく見てみると、スナネズミ(カンガルーラット:Kangaroo
Rats)のものと思われる毛や骨が、かなり見つかり、その大きさとも相まって、このスナネズミを主食としているように考えられます
また、その周囲をよく見てみると、巣のある塚部分から半径15m以内にある他の塚の上にも、点々とフンやペリットを見つけることができ、どうやら、巣穴を中心として半径15m程度が、オス(メスかもしれない:もしくは両方使う)の常駐域のように考えられました
左の写真の塚も、頻繁にオスが見回りにくる為か、フンとペリットを確認することができます
この塚は、巣穴から7mくらいのところにあり、フンやペリットが落ちているのがわかります(ペリットは採集した後で、無いかもしれません・・・笑)
ここでは、巣穴の大きさや形状を計測したり、ペリットを採集し、車に戻ろうとすると、オスがどこからともなく飛来してきて、あちこちの塚の上にパーチしたりして、我々の目を楽しませてくれましたが、警戒心が強いせいか、いつも遠く離れた場所ばかりだったです(笑)
このフクロウの写真については、砂漠みたいな場所なので、陽炎が強くて写真に撮ることができず、もっぱらビデオで撮影していたので、残念ながらフクロウの写真はありません。いつかは、ビデオからキャプチャーして紹介したいと思います
ここまでで、午前の部は終了です。次の場所へ移動するため、車を走らせて、スネーク川の近くにある池の畔で昼食にすることになりました。この池は、水鳥保護区となっていて、おまけに、簡単な観察舎までついているので、昼食にはもってこいの場所です
池の周囲にある草むらには、いろいろな毒蛇が潜んでいるらしいのですが、ちょと時間つぶしに探したのですが、そう簡単にお目にかかれるわけでもなく、数種類のトカゲを見ただけに終わってしまいました
ここでは、昼食をとりながら、アメリカシロペリカン(American White Pelican)や、オオアオサギ(Great
Blue Heron)などの大型鳥や、シジュウカラガン(カナダガン:Canada Goose)や、日本でもお馴染みのマガモ(Mallard)や、ちょっと変わったアカオタテガモ(Ruddy
Duck)などのカモ類、背高のっぽのアメリカソリハシセイタカシギ(American
Avocet)や、泳ぐシギであるアメリカヒレアシシギ(Wilson's Phalarope)などのシギ類を堪能することができました

この池は保護区の為、周囲には鉄条網が張り巡らされていて、簡単に立ち入ることができなくなっていますが、ところどころに、横断歩道橋みたいなものがあり、中に入れるようにはなっています
北米において、このような水鳥保護区については、小さなものまで含めると、かなりの数があるらしく、狩猟団体が設置したものも、たくさんあると聞いています
狩猟家としては、末永く狩猟(ゲーム)を楽しむ為に、進んでこのような保護区を設置しては、水鳥を増やしながら、自分達もゲームを楽しむというのですから、さすがはアメリカだと、妙に感心してしまいます。日本では、100年経っても、このような保護区はできないでしょうね
これまで、さまざまな水鳥を見ても、ほとんど感動もせず、何とも思わなかったのですが、見るだけで、その美しさに感動した鳥に久しぶりに出会いました。それは、クロエリセイタカシギ(Black-necked
Stilt)という鳥です。日本で、アカショウビンやヤイロチョウなどを見ては、綺麗な鳥だなと思ったのですが、このセイタカシギは、赤く長い足で立っている姿はすこぶる優雅で、顔も品のある白黒の斑に赤い目、やや反り気味に細長く延びた嘴は品良く、飛翔した時には、翼の黒色の中に、グリーンメタリックの色が光り輝き、今まで見たあらゆる鳥の中でも、僕には別格の美しさでした。なんという上品な鳥なのでしょうか。今後も、『見たい!』と思わせる鳥に、久々に出会いました
続きは、次回です
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| ★2004.6.10 |
・・・・・ 米国へ・4−1 ・・・・・ |
(前回からの続きです)
さまざまなフィールドを案内された後、研修先として予定していたハヤブサ基金が運営する世界猛禽類センターに視察に行きました
ハヤブサ基金は世界でも有数の猛禽類に関する調査研究・保護団体として知られていて、その本部は、ここボイジーの郊外にあり、その施設が見学できるようになっています。施設の中には、保護飼育されている猛禽を見ることができたり、猛禽に関するさまざまな資料が展示されていて、猛禽の生態だけではなく、猛禽の歴史や文化的なものまで学べるようになっています

右の写真は、世界の鷹狩りについて展示されている様子で、日本の鷹匠の姿も紹介されていました
このような場所で、日本の鷹匠が紹介されているのを見ると、ちょっと、誇らしい感じにもなってしまいます
このような場所に掲載されている事もあるし、その佇まいから察すると、この方は、きっと有名な鷹匠なのでしょう
ここでは、施設の人の配慮で、まだオープンしていない図書館まで案内をしていただくことができました。
正式にオープンしていない図書館ということなので、たいして期待はせず、まあ、世界中から集められた膨大な学術論文や、機関誌等が揃っているのだろうと思っていたのですが、資料庫の案内をされ、ハヤブサ基金が所有している標本等の資料を見せていただいた時には、ちょっと、目を見張るものがありました

右の写真は、その資料庫の中で、さまざまな説明を受けている様子です
保管庫の上に横たわっている剥製は、オウギワシ(Harpy Eagle)です。ハヤブサ基金は、オウギワシの保護計画も行なっていますので剥製だけでなく、生きている個体も展示されています
この保管庫の中から、次々と驚かされるものが出てきました

左の写真は、シロハヤブサ(Gyrfalcon)の標本です
雌雄での大きさの違い、色の濃淡の違い。また、齢別での濃淡の違いなど、標本から、いろいろなことがわかってきます
このような貴重な標本が、膨大に保管されていますので、時間があれば、これらの標本を見ているだけでも、かなりの勉強になりそうです

ハヤブサ基金は、今から30年ほど前に設立された保護団体ですが、そのきっかけとなったのが、このハヤブサの卵達であることは、あまりにも有名です
当時のアメリカは、鳥類の生息や生殖等に悪影響を及ぼす農薬の規制などは、まったく無い状態で農薬が使用されていて、その農薬に汚染された餌動物を食べていた猛禽類に、DDTなどの農薬が蓄積されるようになってしまいました
特に、ハヤブサについては、あまりにも薄い卵殻の卵を産むようになってしまい、抱卵途中で卵が割れて繁殖が失敗してしまうなどの悪影響が出て、繁殖成功率が極端に悪化し、ハヤブサなどは、絶滅が危惧されるようになってしまいました。そのため、基金では、DDTなどの鳥類に悪影響のある農薬使用を禁止させたり、農薬に汚染されていないハヤブサを、汚染の少ない都会に放鳥して繁殖させるなどして、ハヤブサを絶滅の危機から救うことに成功して、一躍有名になりました

そのハヤブサの卵達も、膨大な数が保管されていて、古いものでは、1970年代からのものから、収集・保管されています
左の写真は、ラベルから見てもわかるとおり、1971年の卵達です
このような感じで、たくさんのハヤブサの卵が収集・保管され、これらも、世界的に貴重な資料となっています

このように、たくさんの貴重な猛禽関係資料に混じって、ちょっと驚かされる資料も見せていただきました
その貴重な資料というのは、リョコウバトの剥製です。リョコウバトは、地球上にもっとも個体数が多くいたといわれる鳥類で、一説には50億羽くらいはいたと推定されている鳥です。しかし、19世紀の西部開拓時代に、肉や羽毛の需要による大量捕獲がされ、20世紀初頭には絶滅してしまったことで知られている、あまりにも有名な鳥です。まさか、こんなところで、この鳥の剥製に出会えるとは、夢にも思っていませんでした
この鳥の剥製は、世界に1羽しかないと思っていたのですが、案内をしてくれた研究員の話では、どうやら世界に3体あるらしくて、その内の1羽がこの標本の個体だそうで、ラベルを見る限り、1886年に採集されたようです
ハヤブサ基金設立の発端となった、農薬に汚染された当時の卵や卵殻が、写真のように大量に保存されているのを見ていると、わずか30年ほど前からのもので、所詮は、ただの卵や卵殻なのですが、その歴史的価値や、猛禽保護に関する重みは、ものすごく重く重要なものがあり、僕としては、リョコウバトを見せていただいた以上に、感慨深いものがありました
ここを見学して、本日の日程は終了ということで、案内をしていただいたラリー氏を土地管理局の事務所に送っていく途中で、ちょっと僕の個人事務所に寄れということで、かれの個人事務所に案内されたのですが、ここでは、彼が保護飼育しているアメリカワシミミズクやコミミズクなどがいて、今晩もこの猛禽を持って、別の女性が、教育指導に行くということでした
左の写真は、アメリカワシミミズクを左手に載せポーズをとってくれたラリーさんです。穏やかな笑顔がその心を現わしているように思えますね。とってもやさしい気配り・心配りは、とても印章に残っています
猛禽のリハビリで有名なミネソタ州立大学の猛禽類センターでもそうでしたが、傷病等により保護された猛禽類は、野外での生活に適応できるように飼育されてから放鳥されますが、野外生活に適応できないと判断された個体は、飼育しながらも教育的な利用がされることになっています。つまり、生きている猛禽を、子供達に見せたり、あるいは子供達の目の前で、簡単なフライトをさせたり、時には、直に触らせたりしながら、猛禽類を身近に感じてもらって、そこから、自然に親しんでもらったり、自然保護思想を高揚させようというものです
(詳しいことは聞かなかったのですが、彼も同じようなことをしているようでした)
日本で傷病等により保護された猛禽は、野外復帰が困難と思われる個体でも、その施設の都合(猛禽は長生きで、餌も肉食のため飼育費用が高額になってしまう)により放鳥されることが多いと思われます。現状におけるそのような保護施設の予算状況や、人員・技術・思想等の問題により、日本では、まだまだかなとも思います。僕個人としても、このような教育をしようという欲望を持ったとしても、飼育場所・飼育技術・時間などの問題により絶対にできそうもないだろうと思いますから・・・・・
右の写真は、コミミズクを持つラリーさんの仲間です。彼女は、これから、このコミミズクを連れて、どこかへ教育に出かけるのですが、なんとなく、頭がさがる思いでした
それと、欧米では、彼女のように女性でありながらも、猛禽のことに興味を持っていたり、研究をしたり保護活動したりする人が、実にたくさんいます。それに引き替え、日本では、野鳥に興味を持つようになった女性は増えているようですが、猛禽を研究したり、猛禽の保護活動を行なっているような人は、まだまだ少ないように思われます。この差は、いったい何なのであろうか・・・・・
ハイイロチュウヒを左手に据えている左の写真の女性は、ハヤブサ基金でいろいろと説明してくれた女性です。職員なのか、研究員なのか、ボランティアなのかはわかりませんが、このような施設であっても女性が、猛禽を手にしながら来館者に説明している光景は、欧米では違和感を感じないのも不思議なことです
本日の写真を見ていただくと、よくわかるのですが、4枚目の写真にも女性が写っているのがわかります。この女性は、若い方ですから、ひょっとすると、どこかの大学の学生さんかもしれませんね。いずれにせよ、このように猛禽と関わっている女性を、欧米では普通に見ることができるのですが、日本でも、女性が増えているとはいえ、まだまだという感じがしています。まあ、理由はいろいろと考えられるのですが、そのことについては、別の機会にでも書くことにします
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| ★2004.6.8 |
・・・・・ 米国へ・4−1 ・・・・・ |
今日は、いよいよ研修の本番です。ウェイクアップコールで目覚めたのは7:00です。前日の天気予報では、今日は雨ということなので、天候を心配しながら部屋のカーテンを恐る恐る開けてみると、前夜に雨の降った形跡はあるが、とりあえず、雨は降っていないものの曇天で、今にも雨が落ちてきそうな感じです。なんとか、今日一日は天気が持ってもらえないかと祈りながら、早朝の散歩に出かけることにしました

昨夕方に、泊まっているモーテルの屋根の繋ぎ目部分にクロウタドリ(Eurasian
Blackbird)が、また、庭に植栽されている楓の樹にはコマツグミ(American Robin)が営巣しているのを見つけてあったので、ちょっと、覗かせてもらいました。右の写真は、屋根の繋ぎ目の巣に入ろうとしているクロウタドリです
朝8:30に内務省土地管理局の事務所でラリー氏と待ち合わせをして、いよいよフィールドに出発です
まず最初案内されたのが、だだっ広い平原に設置されたアメリカチョウゲンボウ用の巣箱です。この巣箱を利用して繁殖しているイラストは、ハヤブサ基金で良く使われていたので、ご存じの方も多いと思います。チョウゲンボウ用の巣箱は、この写真のように広大な原野の中に設置されていたり、インターステーツ(フリーウェイ)の看板の裏にも、設置されたりしていました。ただし、利用率は、それほど高いものではないらしく、そのほとんどは、ホシムクドリ(European Starling)が利用していました
面白いのは、巣箱の下に見える白い筒状の部分でして、この部分は、アメリカチョウゲンボウが繁殖を始めたら、給餌のために餌を置く場所となっています。時には、この部分に餌のネズミを置いておく場合もあるそうです
しばらく原野を走っていると、助手席で案内をしてくれているラリー氏に、右折して途中で止まれという指示がでました。この場所は、今までの原野と違い、青々とした植物や柳の木も見え、一見して湿地であることがわかりました。アレチノスリやハイイロチュウヒが飛翔をしていたり、ダイシャクシギ(Eurasian Curlew)やチュウシャクシギ(Whimbrel)などのシギの姿も間近に見え、ちょっとしたブッシュや柳が生えているところには、マネシツグミ(Northern Mockingbird)をはじめとする、たくさんの小鳥類が生息していました
今までの原野における単純な生物相とは、まったく違う豊かな生物相を感じる場所であり、水の大切さを感じた場所の一つでもあります。原野の中にあるちょっとしたオアシスという感じで、付近の電柱には、カササギ(Black-billed Magpie)もいくつか営巣していたり、なかなか面白い場所でした
この湿地には、ハイイロチュウヒが営巣しているようで、特定の場所に舞い降りる姿幾度となく見られたりして、他の鳥類だけでなく、猛禽にも役立っていることを窺わせました
ちょっと驚いたのは、シギ達の繁殖場所でした。湿地を離れて、しばらく車で走っていると、まだ新芽も伸びていないちょっとした牧草地らしき場所があり、この場所では、ダイシャクシギやチュウシャクシギシギが営巣していて、車を止め車内からその様子を眺めていると、擬態行動をするなどして、我々の目を楽しませてくれました。さきほどの湿地で繁殖していると思っていたのですが、湿地内ではなく、このような環境で繁殖しているとは、ちょっと意外でした(こんな事を知らないのは、僕だけかもしれませんが・・・・ダイシャクシギやチュウシャクシギについては、動画で撮影してありますので、機会がありましたら紹介するようにします)
原野を進んでいくと、あちこちに土が盛り上がっている場所が見られますが、これは、大きなものはアメリカアナグマ(Bager)で、小さなものはホシジリス(Spotted
Ground squirrel)の仕業で、両者とも穴を掘っては、営巣地として使っています。特に、ジリスについては、車で走っているだけでも、昼間からたくさんの個体を見ることができ、この原野地帯では、ものすごい数が生息をしています。ジリスは猛禽類をはじめとして、他の肉食動物の貴重な餌となっていて、中型獣であるアメリカアナグマも、イヌワシやカラフトフクロウなどの大型猛禽には、貴重な餌資源であることは言うまでもありません。ちなみに、左の写真は、真ん中に見えるのがアメリカアナグマの巣で、左に見える小さな土の盛り上がりがジリスの巣です
不思議なことに、このような原野の中にあっても、ポツンと木が1本だけ生えていたりします。誰かが何らかの理由で植栽したのか、それとも、偶然、この木だけ生き残ったかは定かではありませんが・・・・・ある程度大きくて(4〜5m位)、葉がついていれば、かなりの確率でノスリの仲間が営巣しています。餌は充分以上にあるので、ちょっとした営巣場所さえあれば、どこにでも繁殖するというのが、こちらのノスリ属の特徴とも言えます。今回も、このような営巣場所を、かなり見ることができました。
右の写真は、道路と畑の境に生えている木に営巣しているアレチノスリの巣です。この場所は、牧草を育てる為に潅水していますので、牧草は青々としているのがわかります。恐らく、その潅水効果により、この木も生長できたであろうと思われるし、アレチノスリが営巣できるようになったのでしょう
原野を延々と横切る送電線は、1万kw以上はありそうな大きなものから、100〜200Vくらいの小さなものまで、さまざまなものがありますが、高圧の送電線については、衝突の可能性はありますが、何本かある線と線の距離が広く、鉄塔や送電線に普通に止まっても感電する危険はないのですが、小さな送電線鉄塔の場合は、鉄塔に止まり、翼を広げた時などに、複数の線に羽根が触れると感電してしまいます(送電線は、1本の線に触れただけでは感電しないが、複数の線やどこかにアースしてしまうと、身体を通電してしまい感電してしまいます)
そのため、感電する危険のある送電線鉄塔(電柱)には、写真のように三角形をした楽器のトライアングルみたいなものを設置して、猛禽類などの大型鳥類が止まれないようにしてあります。10年ほど前に、カリフォルニアコンドルの再導入計画を見に行く機会があり、そこでの話の中でも、『放鳥したコンドルが、電柱に止まって感電死してしまい、放鳥するコンドルの感電死を防ぐために、フライングケージの中に電柱を建て、それに止まると、軽く通電するようにし、電柱に止まらないように教育してから放鳥する』というような話を聞いたことがあります。こちらの場合は、鳥を教育することにより感電事故を減らすようにしているのですが、この保護区の場合は、電柱自体に止まることを防ぎ、感電事故を防ぐようにしています。それにしても、この広大な原野に延びている鉄塔すべてにこのようなものを設置するというのは、想像しただけでも、気が遠くなるような作業だと思います
次に見せていただいたのは、高圧送電線に営巣しているイヌワシです。このイヌワシは、20年ほど前からこの送電線に営巣していて、ここの猛禽保護区のシンボル的なものになっています。ほとんど毎年営巣に成功していて、今年も1羽のヒナを元気に育てていました。ここの営巣地に到着して、しばらくヒナの様子を見ていたら、メス親と思われる個体がすぐに飛来し、ヒナに餌を与えている光景を間近に見ることができ、ラッキーでした
駆け足でここまで案内され、昼食の時間となりました。昼食は、小さな集落にあるお店で取ることになり、案内されたところは、まさに西部開拓時代を思わせるようなお店で、まあ、日本流に言えば、ど田舎にある町の大衆食堂という感じでしょう。この小さな町には、この食堂の他に、もう一軒食堂があり、どうもこちらは酒を飲むのがメインらしく、酔っぱらって転ばないようにという標識が店の前に設置されていました(笑) ちょっとユーモアがあって面白いですね。それにしても、さすがは西部開拓時代の末裔と申しますか、昼間から、結構たくさんの人が車で酒を飲みに来ていました
ちなみに、食事をしに来ていた地元の人のほとんどが、ハンバーガーを食べていたのですが、なぜアメリカ人は、こんなにハンバーガーが好きなのか、まったく理解ができません(笑)
もっと、美味しいものが、たくさんあるように思うのですが、こればかりは、アメリカで生まれ育たなければ、わからないのでしょう
右の写真は、一瞬3年前の悪夢を思い起こさせるような看板です(笑)

軽く昼食を済ませた後、他のイヌワシの営巣地やアカオノスリの営巣地などを案内してもらいました。こちらの方は、事前に想像していたとおりですので、特にこれといった感慨もなく、まあ、こんなものだろうという感じでしたが、やはり、岩場に営巣する猛禽にとって、営巣地の重要さを、ひとしお感じさせるものではありました
左の写真は、岩壁に営巣しているアカオノスリです。写真では、親鳥もヒナの姿も見えないのですが、望遠鏡を覗いている時には、元気なヒナの姿を見ることができました
4日目は、まだまだ続くのですが、だいぶ長くなってしまったので、この続きは次回になります
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| ★2004.6.5 |
・・・・・ 米国へ・3 ・・・・・ |
滞在3日目にもなると、少しずつ時差ボケも解消されてきて、頭もだんだんとはっきりしてきます。この日も7:00には、いつものようにモーニングコールで目が覚め、モーテルの周辺を双眼鏡片手に45分ほど散歩をしてきました
この町は、典型的な田舎町で、特に見るべきものがあるではなく、ただ、交通の要衝として栄えた町らしく、たくさんのコンボイが並んでいるくらいでしたが、散歩をしていると、日本とは比べ様がないほど明るい墓地をリスが走り回っていたり、ブラックバードやアメリカンロビンが綺麗な声を聞かせてくれたりして、飽きることなく時間つぶしができます
ここから研修先であるボイジーまでは300マイルほどありますので、車で5時間ほどはかかりそうです。本日はいわゆるプレーリー地帯を走りますので、車窓から見える風景は代わり映えしないだろうと思っていたら、案の定、窓から見える風景は、セージグラスとタンバルウィドーの草原が延々と広がる中を、道路は延々と一直線に延びているという、いかにもプレーリーにふさわしい景色の中をを走り続けなければなりません
時折、セージグラスもタンブルウィドーも生えていなく、みずみずしく青々とした草が広がっている場所が所々あります。このような場所をよく見てみると、巨大なスプリンクラーを使って散水していました。このような光景は、あちらこちらで見かけることができ、この巨大なスプリンクラーと巨大なトラクターをぼんやりと眺めていると、アメリカ農業の底力を見せつけられているようでした
ボイジー市内に入り、昼食をとってから、今回の研修先の一つである、BUREAU
OF LAND MANAGEMENT( 内務省土地管理局)には、15:00位に到着しました。そこで、担当者のラリー氏から、事務所の紹介や仕事の紹介などを受け、明日の研修等について打合せを行い、事務所を辞した後、少々時間があったので、我々だけでフィールドに出てみました
ここのフィールド(スネーク川猛禽類保護区)は、有名な場所なのでご存じの方も多いと思いますが、広大な平原の中に、スネーク川の渓谷が蛇行して流れている地域で、渓谷の両側に聳え立つ岸壁等にイヌワシ・アカオノスリ・ソウゲンハヤブサ・アメリカチョウゲンボウ等のワシタカや、アメリカワシミミズク・メンフクロウ等のフクロウ類が営巣している場所です
もちろん、そこに行けば営巣状況を簡単に見ることができるわけではありませんが、詳細に見ていくと、いくつかの巣や止まり場所は確認することができますし、飛翔したり探餌・採餌しているワシタカは、かなり見ることができます。この日も、イヌワシ(Golden Eagle)・アカオノスリ(Red-tailed Hawk)・アカケアシノスリ(Ferruginous Hawk)・アレチノスリ(Swainson's Hawk)・ソウゲンハヤブサ(Prairie Falcon)・アメリカチョウゲンボウ(American Kestrel)・ヒメコンドル(Turkey Vulture)・ハイイロチュウヒ(Northern Harrier)などが、この日も確認できました。そうは言ってもノスリ3種については、特徴をつかむのがなかなか難しく、2日ほどかけて、ようやく少し特徴がわかってきて、識別できるという具合でした
この日は、夕方まで観察し、さまざまな猛禽の飛翔や、アカオノスリがヘビを狩るシーンも観察でき、我々の目を楽しませてくれたりしました。また、ちょっと見晴らしの良いポイントでは、対岸の岸壁を覗くと、たくさんの止まりの痕跡や巣を見ることができるのですが、この日は風が強く、望遠鏡をセットした三脚が小さく華奢なものでしたので、少し風が吹くだけでもブレてしまい、巣を見つけても、はたしてどの猛禽の巣なのかということまでは、断定することができなかったのですが、これについては、明日以降の楽しみという感じで、市内に戻り、モーテルに宿泊することにしました
毎日、パンや野菜・果物ばかり食べていたので、この日の晩は、中華料理を食べに行くことにし、チャーハンと玉子スープを頼み、肉は食べたくないので豆腐料理は何かできないかと訊ねると、麻婆豆腐ができるということで、麻婆豆腐を頼んでみました。チャーハンは粘り気のないお米で作られていたのですが、まあまあ美味しく、玉子スープについては、日本のものとさほど違いはなかったのですが、驚いたのが麻婆豆腐です。とても麻婆豆腐とは似ても似つかないものがでてきてしまい、これでは、ただの豆腐と野菜の炒め物ではないか・・・・・というような感じでした
それよりも驚いたのは、なんと飲食店なのにビールをはじめとするアルコール飲料が無いのです・・・・・「アルコールを食堂で出せない州もあるかも・・・」などと、皆で話をしていたのですが、いずれにせよ、中華料理屋でアルコールを飲まないのは、いつ以来だろうか・・・・・
(この件については、次の日、ラリー氏に聞いたところ、特にこの州では、食堂でアルコールを出してはいけないという法律があるわけではなく、店によっては酒を置いていない店もあるいうことでした)
本日1枚目の写真は、日本のお墓とは違って、かなり明るい感じがする墓地の様子です。2枚目の写真は、ネバダ州からアイダホ州へ向かう一般道なのですが、とにかく真っ直ぐな道で、運転していても飽きてしまう道です。写真ではわかりにくいのですが、道の両側は、セージグラスで埋め尽くされています。時折見られる、プロングホーンだけが我々の目を楽しませてくれるだけです
3枚目の写真は、いよいよ内務省土地管理局に到着した時のもので、4枚目の写真は、挨拶をした後、事務所の中を見学させてもらっている様子です。右側に見えるパネルは、スネーク川猛禽保護区を上空から俯瞰したものです
5枚目の写真は、スネーク川猛禽保護区です。広大な原野がスネーク川によって削られ、断崖を伴った渓谷になっています。さまざまな猛禽が、川の浸食で削られたこの断崖で営巣することができ、広大な原野では、たくさんの餌動物が生活していることから、岩壁に営巣することができる猛禽にとっては、楽園に等しいものとなっていて、多くの猛禽が繁殖しています。川に橋状のものが架かっているように見えますが、これは、なんとダムでして、このような小さなダムが、いくつか流域に架かっていました。このダムは、後でラリー氏に聞いたところ、これでも発電用のダムらしく、発電所を備えていました。川では船外機付きのボートが走っていたり、釣りをしている人も結構見られました。パイクでも釣っているかと思ったのですが、バスをメインに釣っているそうです
最後の写真は、アメリカでは一番ポピュラーと思われるアカオノスリの写真です。飛翔しながらも、ノスリとは思えない鳴き声で盛んに鳴いていましたが、これがアカオノスリの特徴なのでしょうか? それとも、繁殖期の特徴なのか? 今回、近くで観察することができた個体は、どの個体も良く鳴いていたので、この鳴き声だけは、簡単に覚えることができ、アカオノスリだけは鳴き声だけで識別できるようになりました(笑)。写真の個体については、アカオノスリの特徴である赤い尾羽根が確認できませんので、いわゆる若鳥だと思われます
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| ★2004.6.3 |
・・・・・ 米国へ・2 ・・・・・ |
まだまだ時差ボケが残っている頭を、冷たい水で顔を洗い流しながら目が覚めたのは、7:30くらいでした。本日はヨセミテ国立公園を目指し8:30に出発です
睡眠をとり、疲れを癒したつもりでも、簡単に時差ボケは治るものではなく、交代で運転をしているのですが、運転を休んでいる時には、どうしても眠くなってしまい、すぐにうつらうつらしてきます
公園区域内に入る少し前のスーパーマーケットに立ち寄り、昼食を買いこみ、いよいよ公園に入ることになります。この公園は、氷河で削られたモレーン地形が随所に残り、ハーフドームやエルキャピタンを初めとする奇岩や、ブライダルベール滝やアメリカ最大の滝であるヨセミテ滝などの豪快な滝が見られたり、レッドパインやセコイアなどの大木で有名な公園で、いわゆる景勝地として世界中に知られている場所です

真夏のハイシーズンは世界中からかなりの観光客が訪れるそうですが、今はシーズン初めのため、あまり混雑もせず、公園内の道路も通行する車は少なく、比較的ゆったりと楽しめることができました。ただし、まだ冬期閉鎖されている道もあり、予定していたルートを通ることができずに、塩湖であるモノ湖・タホ湖の近くを通り抜け、ウィンネムッカで宿泊することになりました
この日、モーテルにたどり着いたのは、24:40位になってしまい、ビールを飲んで寝たのは、夜中の2:00位となってしまいました

本日、1枚目の写真は、ヨセミテ国立公園といえば、その代名詞ともいえるハーフドームの写真です。ハーフドームはヨセミテ渓谷沿いにある巨大な一枚岩で、氷河の浸食により岩が削られてしまい、ハーフドームのような形をしていることから名付けられたものと思います。2枚目の写真を見ると、渓谷全体がU字型のモレーン地形になっているのがよくわかり、よくもまあ、このような整った地形ができたものだと感心します。ハーフドームも驚くべきものがあるのですが、他にも一枚岩でできた巨大な岸壁や、そそり立つエルキャピタンなどの岸壁、あるいは、壮大ないくつかの滝も大きな見所となっています
3枚目の写真は、ヨセミテ渓谷の上に偶然浮かび上がった飛行機雲の十字架です。なんとなく荘厳な雰囲気にさせてくれる雲でした
4枚目の写真は、どうもクラッシクカーに関するイベントが開催されているようで、公園内をたくさんのクラッシックカーが走っていました
なかでも、右側の赤い車に乗っている老夫婦は、一番人気があったようで、たくさんの人に声を掛けられたりしていました。この駐車場にいる時も、後ろから来た観光バスにあおられても、我が物顔で道も譲らずに、おじいさんは高笑いをしていました。まさにアメリカンなおじいさんでして、なかなかの愛嬌者でした

5枚目の写真は、残雪が道路脇に残る公園内の道路です。5月中旬とはいえ、やはり、高標高地域は、やっと春が訪れてきたという感じで、日陰の道路脇とか、北斜面などには、このように残雪が残っていました
そのためだろうと思いますが、公園内の道路も、すべてが通行できるわけではなく、いくつかのルートが、まだ閉鎖されているような状況で、我々もルートの迂回を余儀なくされてしまいました
恐らく、6月になれば、全ルートが開通し、この公園も賑やかになっていくのでしょう
公園内を過ぎると、一般道を北に目指し、車を進ませます。6枚目の写真は、塩湖のモノ湖です。写真ではわかりませんが、湖岸部には、岩塩の白い結晶が、ある程度見られ、塩湖であることが車窓からもわかったのですが、カモメが群れ飛んでいたりして、魚の生息を想像させて、興味があったのですが、時間を節約しなければならない為、立ち寄ることができなかったのが、ちょっと残念でした
塩湖は、大陸の内陸部の乾燥地域に見ることができる特殊な湖で、極度の乾燥により、水分だけが長い間に蒸発散してしまい、土壌中に染みこんでいる塩分がある程度の濃い濃度で、水の中に凝縮されたもので、時には、塩分がかなり濃い濃度の湖であっても魚類や甲殻類が生息していたりします。そんなことに興味があり、塩湖にも立ち寄りたかったのですが、いかんせん時間がない為、今回は見送ることとし、いつかは訪問して、塩湖で遊んでみたいと思っています
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| ★2004.6.1 |
・・・・・ 米国へ・1 ・・・・・ |
今回の旅行は、久しぶり(6年振り)の海外(アメリカ)へ行ってきました
今年の3月で、勤続20周年を迎え、5日間のリフレッシュ休暇がもらえることになりました。当初はこの休暇を利用して、6月くらいに10日間ほど北海道に遊びに行こうかなと思っていたのですが、4月に僕の所属するNPOより、アメリカに猛禽の研修旅行に行かないかと誘われてので、計画変更をして、急遽アメリカに行くことにしました
メールで通知された内容は、5月15日出発・5月25日帰国、飛行機でサンフランシスコまで行き、そこから大型レンタカー(15人乗り程度)で北を目指し、アイダホ州のボイジーという街で猛禽に関する研修を行い、行き帰りにイエローストーンやヨセミテ国立公園などを巡り、動物観察をしながら帰ってこようというものです
さっそく切れていたパスポートを取り直したり、国際免許証を取得し、前日には、双眼鏡・望遠鏡・三脚・カメラ・ビデオなどの観察・記録用具をパッキングして準備を整えておきました
出発日の15日には、待ち合わせ場所である成田空港で参加者と合流し、打合せをしたのですが、フライト先がサンフランシスコではなくロサンジェルスに変更になったことと、レンタカーの予約はしていなく、現地に到着してから今後の日程を決めるということになり、機上の人となりました
9時間ほどのフライトで、ほぼ定刻にロスの飛行場に着いたのは、現地時間で13:00くらいでした。厳しい入国審査の為、想像以上に時間がかかり、現地の人となったのは、ちょうど14:00くらいでした
さて、これからどうしようかと相談をし、ソルトレイクシティかボイジー(今回の研修先)まで飛行機で移動し、それからレンタカー移動しようかということになったのですが、飛行機代が思ったより高く、結局、ロスからレンタカーを走らせ、ヨセミテ国立公園を見学して、ボイジー→イエローストーン国立公園と回り、時間があったら近くの面白そうな場所を見学しながらロスに戻ることになりました
今回の参加者は、2組の夫婦と、僕を含めた単独男性が2名、女性1名の合計7人です。レンタカー会社に向かい8人乗りのフォード・エクスペディションという車を借りることに決めたのですが、荷物を載せるスペースがちょっと狭く、最後尾のシート1席を荷物スペースとしたり、小さな荷物はシートの下などに押し込み、少しでもゆったり乗れるように工夫したのですが、全体として窮屈感はありましたが、座席間は以外と広い為、それほど狭い思いをすることなく全員が乗車することができました。これが一番大きな車でしたので、まあ、仕方がありません
これから、いよいよ、ロス市内を離れ、ヨセミテ国立公園の近くまで目指すのが、とりあえず初日の日程です
車を借りる手続きが済み、車に乗り込み、出発できたのは16:30位になってしまいました。少々混雑した市内を抜けると、あとは、一面荒野とも原野ともつかない中を通るインターステーツを、一路北に向かうだけです
途中の小さな街で食事を済ませ、モーテルにたどり着いたのは、23:00くらいになり、軽くシャワーを浴び、ビール飲んで寝る頃には、日付けが変わった夜中の1:00過ぎくらいになってしまいました
本日1枚目の写真は、ロス市内を抜ける時の模様です。市内の為、まだまだ通行車両は多く、だんだんと少なくなっていくのが、走りながら実感できます
2枚目の写真は、いよいよ原野地帯を走ることになります。走れど走れど山の形が変わるだけで、同じような光景が延々と続きますが、そこは果樹王国であるカリフォルニアで、ネーブルやグレープフルーツをはじめとする柑橘類や、ブドウ・モモ・ネクタリン・プラムなどの広大な果樹園が広がっています。だいぶ前の秋に、この付近に来たことがあるのですが、この時は、街道沿いのあちこちの農場で、小山のように積まれたネーブルが、恐ろしいくらい安い価格で売られている光景をみることができましたが、今はまだ春ですので、延々と瑞々しい緑が続いているだけで、ちょっと寂しい光景でした。さまざまな果実が実る夏から秋にかけては、きっと、素晴らしい光景になることでしょう
3枚目の写真は、一番最初に立ち寄ったレストランで、日本でもあちこちで見ることができるファミレスのデニーズでした。アメリカに敬意を表して、最初のビールはバドワイザーです(笑)
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